プレジデントの「年収2000万vs500万学習法比較」という記事にツッコミ入れてみた

2017年6月8日

昨日のブログに書き忘れましたけど、昨日はメルマガとNoteの日でした。

 1 後遺症で半身麻痺になった人にできる仕事は何か
 2 ニッチ商品の販売数を見積もる方法
 3 「中・高年見込み客」の効果的な集客について
 4 メルカリで高く売るコツとは?
 5 ツイートの信憑性を判断するのはどこか
 6 商品の価格設定のポイントとは

です。まぐまぐ!またはBLOGOS、スマホで読む方はnoteでお買い上げいただけます。関係ないですがついでにInstagramもフォローしていただけると喜びます。最近はWar Robotsというゲームにはまってまして、わたしの小隊員募集してます。w

さて、LINEニュースにこんなのが流れて来ました。

年収2000万vs500万学習法比較
プレジデント・オンライン

なんでも「楽天リサーチの協力を得て実施対象●ビジネスマン1000人(20~60代、各年収層5:5、500万円台は男450人:女50人、2000万円以上は男462人:女38人)調査期間●2016年5月9~11日」という調査の解説なのである。それはいいのであるが、なんだかその解説というか深掘りが「ちょっと違う」と感じるところが多かったので、突っ込んでみることにした。

まず2000万の年収で富裕層なのかどうなのかが一番の疑問だが(手取りで1000万ちょいだと富裕層じゃないと思うよ)、こういう調査で考えないといけないのは

こういう行動を取ったから富裕層になったのか
または
お金があるからこういう行動をしているのか

という点の整理です。特に年代別にわけないと、2000万以上はどう考えても年代が高いので、単に高年代の人の特徴になってしまうでしょうよ。同年代で比較してくれないと意味のない調査だと思うの。
特に1ページ目。

「しかし、どの段階においても、収入の高い人と低い人では『行動量』が圧倒的に違います。今回のアンケート結果を見ても、『勉強時間』『読書量』『会食の回数』『旅行の頻度』と明らかに開きが出ています」

『勉強時間』『読書量』が多いほうが高収入になるのはわかる。だって知性の差が財力の差だから(知性=学力ではない)。しかし『会食の回数』『旅行の頻度』はこれは金があって暇だからで、単に会食しまくって旅行行きまくって金持ちになるわけない。混同しても意味がない典型。

こちらはJTBの資料であります。

圧倒的に旅行に行ってるのは60代!!!若い層は金も暇もないしで旅行なんてちょくちょくいけないわさ。

ついでにいうと、昨日のメルマガでも書いたのですが「50代以上が対象なのでネットではリーチしづらい」とかいつの話?である。総務省の去年のデータでは

ネットショッピングでお金使ってるのは50代以上!!

そして50代以上は旅行関係費用をほとんどネットで払っています。

実はネットショッピングで一番お金が使われているのは旅行なのですぞ。

ここから導き出される結論は
「ネットショッピングでお金を使うのは中・高年齢層で、金額の多くは旅行」ということです。もちろん生活保護もらってヘビースモーカーでパチンコに通う高齢者ではなく、そこそこ余裕のある人たちですが・・・そもそも

日本の金融資産の74%は60歳以上が所有しているのであります。

つまりプレジデントの記事は、そもそも「高収入の人と普通の人」の対比ではなく「中高年齢層と下の層」の対比になってしまっているということであります。

資格を取ると高収入になれる?

そもそもちょっと記事でイミフなのが

「何を勉強していますか」という質問に、「資格」と回答した人は2000万円以上で11.0%、年収500万円台で22.3%。一方、「政治」「経済」「歴史」などの教養と回答した人は、年収2000万円以上が多い。だが、この結果を「収入を上げるために資格勉強は意味がない」と読み解くのは早計だ。

早計どころか、これこそ「若い人は資格を取るために勉強してるけど、中高年齢はそちらは卒業して、いまは歴史大好き(自分もそうだけど時代小説大好き)で政治の話大好き。若い層はSHIELDS以外は政治に興味なくて投票にもいかない。まんま世代格差ではないか。

資格を取れば裕福になれるといえば「弁護士」「医師」あたりだろうが、弁護士なんて規制緩和で法科大学院ができて取ればどうにかなるというものじゃないし、医師はそもそも資格を取るためには私立は当然ながら国立だって物凄い学費が必要だから誰でもなれるわけじゃない。自慢じゃないけど自分は大型二輪免許と牽引と1級船舶とアマチュア無線とマリン無線とレーダーは持ってるが仕事の資格なんて持っておらん。周囲見ても資格で裕福になった人はおらん。「資格取ればなんとか」と考えてオワコンになったひとはたくさん知っている。

結局、世代間の話で終わる気がする

特に極めつけがコレ

「スキマ時間に何をするか決めている」と答えた人は、2000万円以上で約半数の49.2%、500万円台で33.0%だった。日々のわずかな勉強時間の差の蓄積が、生涯年収に大きな差を生む。

若いときはさぁ、人生はまだまだあると思うから、時間を惜しんでなんかやるとかあまりないと思うの。休みの日には1日寝てたりとか。自分を始め、中高年は「あと何回旅行に行けるか分からない」「あと何回美味しい晩ご飯を食べられるだろうか」である。1日寝てて時間潰すとかもったいなくてあり得ないのである。
Facebook見ていても半年先、1年先まで人気レストランの予約を入れるのは中高年だ。若いときはぶらぶらして1日過ごしたが、いまは目的やTo Do Listをもって毎日を過ごす。これって残りが少ないからの行動パターンでしょ。

よって、プレジデントの記事は、ムリクリに結論を創っている感じがしてならない。本来であればたとえば

「50代で年収2000万と500万の人1000人に聞きました」みたいな調査にして

学歴
資格
勤務企業
自営か雇用されてるか
親からの資産相続
日頃から心がけていること
趣味
喫煙率と飲酒率

みたいな内容を解析して頂いて、はじめて「ホー」とか「「なるほど」と言えるものになるのであります。
まあだいたいは、高学歴で一流企業に勤務して役職付いているか、親の財産と基盤を引き継いだか、はたまた起業して一発当てたかのどれかになり、旅行とか会食は「いまはしてるけど若いときはそれどころじゃなかった」という結論になるのが見え見えでございます。

で、一番笑ったのが

「仕事に役立てる情報源」について、2000万円以上は500万円台と比べて、「新聞」「雑誌」「書籍」などの紙媒体を活用し、「友人・知人」「旅などの体験」から情報を得ている人が多かった。一方、500万円台の人は、「ネット・SNS」「テレビ」を情報源とする人が多い。「最も費用対効果の高い情報収集の方法は、雑誌や書籍などを読むことです。紙の情報と比べると、どうしてもインターネットやテレビでは、情報が歪められていることが多い」

って自社PRに持って行くところでした。
いや、雑誌や書籍を読むのは高所得者ではなくて、時間がある中高年の特徴でしょ。新聞なんて完全に60歳以上のメディアです。これをプレジデント・オンラインで書いちゃいかんと思うな。

Kindleの月替わりセールでコレが来ていたので買いました。1740円が199円だもん。大本営型思考は日本の官僚に脈々と引き継がれ、「百年安心の年金制度」で花を咲かせています。これ、いまから読みます。

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