宋文州さんになったつもりで語ってみる、社畜から起業へ 第一回

2011年11月27日

先日、某大学で非常勤講師をやってる友人に頼まれて、ゲスト講師やってきました。時間は1時間半だったんですが、例のごとく飛ばしすぎで時間が足りなくなり・・・でも、草食系とか無反応といわれる現在の若者も、見方によってはまったくそうで無いんだな、と感じました。特に起業について話したときは必死に聞いていたし、けっこう質問も出ましたよ。

で、そのときのことをtwitterで呟いたら猛烈に盛り上がった。気をよくして宋さん気分でこのへんをまとめてみます。すげー長くなるので本日は第一回です。評判良かったら続きを・・。なかったらこれで終わりに。
自分自身、社員数500人の時に新卒でリクルートにはいり、急成長してたしか1万人くらいの従業員になったところで辞めて起業して、8年かかってそこそこ知名度も上がって増資して資本金3億くらいにしたものの、上場計画に失敗。ライブドアにM&Aされて栄枯盛衰見たので、たぶんフツーのひとより経験値はあると思います。まあ、少々ありすぎのきらいもあるが。

思うに、いまの学生はこれから300社回っても内定が取れない可能性がたっぷりあるし、そんな就職活動でやっと内定しても、しょーもない安月給で社畜一直線の可能性もあるから、夢が持てないのではないか。
草食系というのは草をもぐもぐ食ってのんびりしているのに比べ(肉食に食われる可能性もあるが)、肉食系はいつも腹を減らしている。が、時としてすごい獲物を捕まえて腹一杯食える。絶対に後者の方が面白い人生になると思う。失敗して野たれ死にしても、結局面白い人生のほうがいいんじゃないかさえ思う。同感する方は肉食=起業向け。やっぱ腹を減らすのはイヤだと思ったら草食系人生ということで、どうでしょう。

NHKで見たが、韓国の大学生は日本よりもさらに半端ない就職難で、そもそも就職できる方が少ない。なのでソウル市は新卒企業者のためにオフィス貸したり、お金を貸したりしている。大学でも起業の授業をやっているそうだ。
日本だって、このご時世、大学で起業学部っていうのを文部省に申請して創設すればいいのよ。学部長宋文洲さんあたりで。資金繰りから借金の方法、試算表の見方、税務処理、マネージメント、ビジネスモデルの考え方、市場マーケティングとか。絶対人気出るよ。偏差値だって絶対あがって超人気学部になる。
政府としてもこれだけ就職難だから、バックアップするんじゃないかな。で、4年かけて、財務とマネジメントとビジネスモデルの勉強をする。流行ります。間違いない。

しかしこう書いたら、twitterで「いまの大学の先生では教えられない」いうご指摘をいただいた。学問としてのお金は教えられるが、「資金繰りから借金の方法、試算表の見方」なんて無理。しかしこんなのは銀行の法人営業で5年くらいやってたら誰でもできる。元銀行員の先生を入れれば済むはずだ。

とまあ、話は広がるのだが、話を先日の講義に戻す。

学生に、「上場企業の取締役の報酬額見ると、1000万円台くらいのところも結構ある。気の利いたラーメン屋なら年収2000万くらいは普通にいるから、豊かな生活をしたいのならならサラリーマンは止めなさい」と言ったら、数人がカリカリとメモ取っていた。

発表されているデータによると、上場企業で従業員の給与平均が最も高いスクウェア・エニックスが1786万円だから、上場企業の役員でもエニックスの社員より少ない人が結構いる。ちなみに日本一の企業、トヨタで役員報酬の平均は3700万しかありません。下の方のデータがないので探すのに苦労したが、2006年だと熊谷組の役員平均937万円、高島屋1511万円、セブン&アイ1670万円。せっかく役員まで上り詰めてもスクエニの社員より安いわけですよ。

 

産労総合研究所がアンケート出すくらいだからほぼ中規模以上の大手企業が回答している

こちらは産業総合研究所のデータだが、上場企業67社、非上場84社の平均。(産労総合研究所がアンケート出すくらいだからほぼ中規模以上の大手企業が回答している)

平社員が300万円弱。大学出て会社に入っても役員まで出世できるケースは相当少ないと思うが、平の取締役で1500万円くらい(賞与付きは時の運なので考えにいれない)。上にも書いたが、流行ってるラーメン屋なら、これ以上稼いでいる店主はそのあたりにごろごろいるはずだ(正直に申告しているかどうかは知らない)。仮に1日300食出て一杯当たりの利益が500円なら1日の粗利15万。一ヶ月で450万。家賃や従業員の給料引いても相当残るでしょう。ラーメン屋に限らず、ちまたの中小企業の社長のオヤジで、セブン&アイの役員よりたくさん貰ってる人は腐るほどいる。

しかし、自分はサラリーマンを否定するものでは無い。大企業にはいってサラリーマンで出世するためには起業するのと異なった、別の才能が必要なのだ。 自分としてはそれは「自分が仕事が出来るのはもちろん、部下に仕事をさせる能力」だと思う。易しい言葉で言えば包容力+厳しいカリスマ性みたいなものか。豊臣秀吉がその典型的な見本なので「太平記」とか読むとよくわかる。もしあなたにこの才能があれば、起業よりもリスクが少ないからサラリーマンで励んだ方がいいと思う。

しかし、この才能に恵まれている人は非常に少ない。とくに自分が仕事をする能力があっても部下に仕事をさせる才能はなかなか見当たらない。ホリエモンもこのあたりは弱点だったし、自分なんて全然ダメだった。しかし前半の「自分が仕事が出来るなら」の部分の才能があるなら、小規模の起業は問題なくできるのだ。仮に300社落ちまくる学生でも、起業したら成功することだって十分にある。もし若い頃のスティーブ・ジョブズみたいに、大口たたくけど自分勝手で人の言うこと聞かない大学中退の学生がいたら、日本のどこの大企業も絶対採用しないと思うしね。

そんなわけで、昨日のツイートをまとめてみました。評判良かったら「起業のオキテ」とかについて書いてみたいと思います。

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