土建屋、建設業の新しいカタチを平成建設に見た

2018年4月15日

Snapmartで324円で買ってきた

先日のことですが、初耳学っていう林修さんがMCやってるテレビをぼんやり見ていましたら、すっげー会社を紹介していました。なんと灘高から東大でて上級国家公務員試験捨てて大工になってる青年がいる「平成建設」っていうとこです。ここにはほかにも東工大とか早稲田卒の大工さんばかりがいます。

思わずググって見てしまった・・・・確かに大工さんも大卒のみの募集だ。他の職種も大卒ばかり。ただし成績は問わずって書いてある。w

なんとガイアの夜明けカンブリア宮殿にも出てた会社なんですね。オンデマンドで見ることができます。

この放送では社長が

大工というのは本来、馬鹿ではできないんですよ

と、仰っていた。自分は工学部建築学科卒なのであるが、これは本当にそう思う。

しかしいままでは「勉強できなくてFラン高校も中退して土建業」というDQNの道があり、それはそれで一所懸命に働いている人はいいのだが、煽り運転で逮捕されるとだいたいが土建業・・・・。東名高速で煽って2人を殺したDQNも自称建設作業員と、とにかく社会的なイメージは良くない。近所で家を建てている現場を見ても、タバコをふかしながらラジオをガンガン鳴らして・・みたいなイメージが浸透している。

仕事についてもマンションの改装工事が終わったら、壁裏とか配線の仕上げが雑でかなり適当だ、なんていうのは良く聞く。自分の家は新築の際、風呂場の工事に来た職人のおっさん(1日競馬のラジオを聞いていた)の仕上げがひどすぎて施工会社に全部やり直して貰った。こんな話はよくある。

初耳学で見ていたら、平成建設の灘高→東大の大工さんは、1人で基礎工事から内装までを仕上げてしまう。分業ではないんである。しかも内装工事の際にはライトを付ける位置を細かく計算して事前に穴を開け、ぴったりときまるようにクロスを貼る。一般の工事ではクロスを貼ってから適当に切るので誤差がでかいのだ。レポートにいった尼神インターの元大工の渚が「普通の大工はこんな計算できない」と言ってたが・・・・

それ、フツーの足し算引き算じゃね??!!

頭良いとかそういうレベルなんか・・それ。
でね。この番組見たわたしの感想なのだが

次に建てるなら施行は絶対ココ!!!

施工費用が1.5倍かかろうが、ここに頼むわ。だって強度計算もしっかりしてそうだし、手抜きもなさそう。寸分違わず綺麗に仕上げてくれそうだし、納期もきっちり間に合いそう。そして現場では誰も煙草吸ってなくて非常に清潔な感じだった。テレビ見ていてお金に余裕がある層からは問い合わせ殺到したんじゃないか。

競合が弱すぎるところで差別化して一人勝ち

東大まで出て大工になりたいという子は少ないんじゃないかと一般人は考える。が、周囲を見ているとけっしてそんなことはない時代なのである。自分の古い友人にはいすゞでカーデザインをしていたのに家具の職人になりたいと修行にはいったのもいる。一流大学出てアクセンチュアにはいったけど転職してカメラマンとか台湾麺線やってるとか、フツーにいるわけですよ。全員が大工になりたいと思わなくたっていいんです。100人いたら数人くらいそういうのいるでしょ。

ただ、普通の建設会社の場合、DQNばかりの現場に一人だけ東大生がはいろうものなら、めっちゃめちゃいじめられる気がする。自分の大学の建築学科同期も現場で職人に文句を言うとあとで上から資材を落とされ、見上げたらニヤニヤ笑ってるんだみたいなことを言ってったっけ。現場監督でもこうなんだから、職人として一流大卒が来たら大変なことになりそう。

平成建設は社長の強いマインドと、熱意で通してきたので成功しているわけ。しかも東京が発祥でないのが凄いです。売上とかの推移もこんな感じ

一般の工務店では社長が大工上がりで大学出てないとかも多いだろうし、使っている大工や職人も大卒はほとんどいないだろうから、いまさら平成建設の真似しようと思ってもできるものではない。いまいる社員をどうするの、というところから始めないといけないわけです。だからこそ

参入障壁が高い

わけですね。最強のビジネスモデルといってもよい。

これ、他業種でも応用が効くぞ

そうなのよ。学歴レベルが高くてもネットのリテラシーの低いジャンルに高い人が切り込めばすぐに検索上位に出られる。いわゆる士業がそれで、自分のクライアントの東大→ハーバード出た建築士の小笠原さんのサイトも、オープンして3ヶ月で「組織設計事務所」で1ページ目。「設計事務所」で2〜3ページ目に上がってきてる。どんだけ士業ってネットに弱いの・・・

これは同じ考え方で、ライバルに低学歴DQNが多い分野に、優秀な高学歴軍団が攻め込めば、仕事のスタンスからして違うわけだから、きっちりやれば圧倒的な優位に立てるということになるわけですよ。特にいままで経験値のみで適当にやってた業界ならなおさらです。

普通の販売・サービス業のように利益率が低い分野は給料も安いから高学歴社員は採用できないからそもそも難しい。やるなら高付加価値サービスで高いプライスを付けないといけない。家なら一生モノだから少々高めでも客は納得する。だからいけるのだが、ほかにもいろいろ応用は効く。

●銀座の寿司屋
インバウンド対策で英語ができる大卒の寿司職人を新卒で採用してるってテレビで見た。

●銀座のクラブ
積極的に大学生とか大卒女子を採用してるという聞いた話。馬鹿でもそれはそれで客にはいいかもしれないが、接待などの時には接待先の会社を事前に調べて頭にたたき込み、話題についていけるオツムが必要で接待にはうってつけ。

●高学歴農家
これはいま増えてきまして、わたしのFacebookの友人にもおります。明大出て東京でSEやってたけど実家の果樹園を継いだ亀岡さん。ブログも書いているし、Instagramもやってました。いろいろなことを試しているのが見てて分かる。アメリカに研修にも行ってた。

IT酒蔵
先日、こういうエントリーを書いた。

日本酒を輸出は大きなビジネスにはならない理由


日本の酒蔵のほとんどは弱小で投資もできないのであるが、獺祭の旭酒造は違う。

最高の酒に杜氏はいらない 「獺祭」支えるITの技 匠を捨て、匠の技を生かす(上)

マイナビにでていたが募集は製造職のみで

最低でも専門学校。院卒も募集しています。3年間は全員が製造にたずさわりその後適性に応じて配置転換あり。すげーよ、獺祭。

これからの日本はどんどん格差が広がる。努力せずにふらふら遊んでいる人間や企業はどんどん堕ちていき、いろいろなことにチャレンジする能動的な人間や企業が生き残っていく。獺祭だって飲めるのはそこそこの収入がある人以上で貧困層はワンカップか大五郎だ。

ワンカップの価格の数倍だよ。しかしこのセットもAmazonでプレミアム付けて倍額で売ってる業者がいる。蔵本がやめてくれって言ってるのにね。

とまあ、駆け足ではございましたけど、これからの企業経営は一にも二にも「差別化」。少子高齢化で国内消費全体はどんどん縮小していく。その中でいかにいい顧客層を掴むのかが生き残る鍵です。カッパ寿司みたいに食べ放題という後先考え無しの戦法でDQN客御用達にして、見かけ上は売上が上がっても、DQN客ばかりになったらいい客は離れる・・・金髪とピアスばかりの店で飯食いたくない。

待ち時間920分…騒然、かっぱ寿司の食べ放題「昼ご飯とも夜ご飯ともつかない」

決算報告書見ても全然好転してるようには見えないし

かっぱ寿司、連続客減地獄の出口見えず…高級品強化も吹石一恵CMも食べ放題も不発

食べ放題のあとも客数は減少。この記事では食べ放題に一定の評価をしているが、「客層の悪化」ということにもっと目を向けた方が良い。DQN層、年を誤魔化す高齢者層、体育会の団体でごった返して長時間待ちのイメージが付いたら、採用もまともな人材は採れなくなるし、客側も良質な顧客層は敬遠してしまう。自分は食べ放題の施策はブランドイメージを本当に損壊してしまったと思います。マクドナルドが禁煙にして店舗を綺麗にしてメニューを高額化し顧客層を入れ替えたのと比べてあまりに・・・・・。

でもAmazonで15%オフのクーポンのファッションセールやってるのに気づいて、ただいまアークテリクスとマムートとどっちにしようか必死にお悩みしています。そんじゃーねー。

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