改憲不要が朝日新聞調査55%、NHK調査31%。この差はどうして生じる?

本日5/3は憲法記念日。この日になると各メディアが憲法についての意識調査をやる。しか〜し、この結果が各メディアでばらんばらんで、その理由を前に解明したわたしなのであるが、各メディアを並べるとその異様さに気づきます。朝生とかで「××の調査では国民の６割が不満を感じているんですよ!」とか金切り声を上げる人がたまにいる。が、調査メディアによってこんなに回答は変わってくるのです。

NHK調査
ＮＨＫ世論調査 憲法改正「必要」２７％ 「必要ない」３１％

NHKの方法は次回から選挙権が発生する全国の１８歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるＲＤＤという方法。今回から携帯電話にもかけているそうだ。固定電話の場合でも電話時に「20代の男の方に」というような指定をしているはず。代わりに回答すると声でバレるから郵送よりも正確じゃないかな。(以前朝日新聞社にRDDで電話に出てくれる人だけの回答だと高齢者ばかりにならないか確認したところ、人口年齢比になるように調整しているという回答であった。たぶん最初に年齢と性別を確認しているものと思われる)

２４２５人のうち６２．８％に当たる１５２３人が回答。回答率が高いのが特徴。NHKから電話がかかってきたらまあたいていは答えるよね。ガチャンと即切りする人の大半は受信料の督促の勘違いだな。www
「改正する必要があると思う」が２７％、「改正する必要はないと思う」が３１％、「どちらともいえない」が３８％で、まあこれが一番実情に即している気がする。

今回憲法改正派が減った理由なのだが、「安倍さんなにするかわかんないから怖い」というより「安保法案通ってとりあえず緊急時の集団的自衛権を行使できるようになったんだから憲法まで変えなくてもいいじゃん」という人が多いんじゃないかなぁ。自分もそのひとりで、国会紛糾して何もできなくなったら、少子化対策とか、TPPとか、景気対策とかまた先になる。いずれ改正するにしても優先順位はそこじゃない派です。

日経新聞とテレビ東京の合同調査

憲法「現状維持」、初の５割台に 「改正すべき」の40％上回る

現在のままでよい」との回答が50％。「改正すべきだ」は40％。NHKと比較して「わからない」「どちらとも言えない」が10%しかいない。これはどうしてだ。
全国の18歳以上の男女を対象に乱数番号（ＲＤＤ方式）による電話で実施。こちらも固定電話にくわえて携帯電話を合わせて2210件を対象に991件の回答で回答率は44.8％。回答率がNHKより低いのは「日経新聞?? わかんねえ、難しいことはわかんねえ」とガチャンする方がけっこう多いんではないかと・・・。

間違いなくNHKより日経のほうが敷居が高いわけですよ。NHKはいつも見てるから親しみもあるし、答えてやろうかという気になる。しかし日経新聞と言われると質問もなんだか難しそうだし、だいたい知的な仕事してない人は読んでないからね。そこで調査に加わる前にNHKで「よく分からない」と素直に答えた４割のうち３割が落ちる。全体の母数から30%が落ちる訳なので、「改正すべき」も「改正すべきではない」も比率が上がる。仮に30%が離脱しなかったとすると、「改正すべき」が30%くらいに。「改正すべきでない」が38%くらいになって

NHKとドンピシャ!!

になるわけです。

右の産経と左の朝日と赤旗も見てみよう

では右系の人に圧倒的支持がある産経新聞はというと

産経新聞とFNNとの合同調査

国から無作為抽出された満18歳以上の1,000人を対象に、電話による対話形式で行った結果・・・

憲法改正に賛成45.5％、反対45.5％、わからない・どちらともいえない9.0％と、こちらもわからないが少ない。産経新聞の調査には回答率がない。そもそもいまや新聞が到達しているのは高年齢の男性だけだから、新聞調査というだけで「イヤイヤ」になるだろうし、加えて左系の人は「産経新聞」というだけでガチャンだろう。対象も1000人と少なく、しかも回答率が新聞各紙のように30〜40%だとすると回答者は3〜400人で、これって調査データとしてどうなのかと思います。回答率を明記しないのはフェアじゃないよ。

朝日新聞

さて、安定の左巻き朝日新聞。

改憲不要５５％、必要３７％　朝日新聞世論調査

来ました!!安定の朝日新聞。各メジャー誌ではもっとも憲法死守派の比率が高いです。調査方法は他メディアが18歳以上なのに対し、こちらは20歳以上。しかも郵送なので答えたのが本人かどうかわからない。子供に来た調査にオヤジとか爺さんが回答しても分からない。

全国の有権者から３千人を選んで郵送法で実施。対象者の選び方は、層化無作為２段抽出法。全国の縮図になるように３３８の投票区を選び、各投票区の選挙人名簿から平均９人を選んだ。３月１６日に調査票を発送し、４月２５日までに届いた返送総数は２０７７。無記入の多いものや対象者以外の人が回答したと明記されたものを除いた有効回答は２０１０で、回収率は６７％。有効回答の男女比は男４７％、女５２％、無記入１％。年代別では２０代８％、３０代１４％、４０代１８％、５０代１６％、６０代２１％、７０代１６％、８０歳以上７％。

変える必要がある３７％、変える必要はない５５％なのでこちらも「わからない」が8%しかいない。で、回答者の年齢層が凄い。年代別では２０代８％、３０代１４％、４０代１８％、５０代１６％、６０代２１％、７０代１６％、８０歳以上７％で、50歳以上が60%!!!高齢者にだいぶんバイアスがかかった意見である(後記:ところがこれは日本の年齢比とほぼ同じなんだそうだ。日本って凄い爺婆国家になっていた・・・・)。ご存じのように日本の左系の支持は全共闘時代の高齢者に集中しているわけ。さらに「朝日新聞」と聞いただけで回答しない人もいるでしょう。根性曲がった人の中にはあえてめちゃ右に寄った回答をする人がいるかもしれないけどね。

そして赤旗です。赤旗は自社では調査をしていないが、NHKと朝日新聞の調査を引用して解説している。

安倍改憲に国民が危機感　「憲法変えるな」多数に

使ってる表はNHKのなんですが・・・

「憲法変えるな」多数に、というタイトルだけ見ますと「憲法変えるな」という人が多数派になったように見えるのですが、これは日本語がおかしくて

憲法変えるなという人が多くなった

なんですよね〜だって31%だもんね。変えようというのが27%だから拮抗してるわけで・・

以前に書いた↓も面白いですよ。
読売と朝日の内閣支持率調査はなぜこんなに結果が違うのか、再び

GW中は前半は海ばっかり行きましたけど昨日と今日は波が無いため大掃除しています。コレ買いました。本箱とかプラスチックの椅子とか簡単にぶった切れルので50㎝以下にして燃えないゴミに出すためめちゃくちゃカットしてます。金属も切れるし庭木のかなり太いのもいけます。ジェイソンになった気分でいまからまたぶった切ります。